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穴窯考  5)窯ヅメ  

 
 
5)窯ヅメ

今回は窯ヅメの話です。
窯ヅメはその名の通り、作品を窯の中に配置し、焼成するための前段階です。
しかし薪の窯を使う私にとっては、焼成の成功、出来不出来を70%ぐらいまで決定してしまう、
非常に貴重な作業になります。
例えば温度の上がり具合も窯の中の障害物(作品)の場所によって変わってくるし、
当然景色をコントロールするのも窯ヅメのやり方次第なのです。
したがって私の場合、焼成は4日間ですが、窯ヅメは5日間はかかります。
(なにもかも一人でやるからかも知れない)ゆっくり火のまわりをイメージしながら詰めていく作業は
頭を使い、重い棚板をつむのは体力を使います。
つまり、窯ヅメは、ただ単に窯に作品をつめて焼く準備をするのではなく、
轆轤や窯焚きと同じく、いやそれ以上に創造的な仕事であると思います。
    
 
ところで皆さんは、焼き物の窯ヅメを見たありますか?
ガス窯や電気窯の機械窯での窯ヅメは比較的簡単です。
デザインもそのように作られています。
しかし薪窯は、炎の流れによってデザインにされているため、大抵狭い穴ぐらのようなところでの
作業になります。
奥の方からレンガを積み、棚を積んで作品を並べていく。天井が低い場合は大抵中腰です。
私の窯なんか、床に座布団をひいて寝転びながら詰めます。
この不自然な体勢のきついことといったらありません。
前述のように、決して手を抜ける作業ではないので、いつも終わってから一気に腰にきますが、
いよいよ焼成が待っているので、気も抜けないのがいつもの感じです。
また窯ヅメは、同じ薪窯でも地域や個人差によって様々で、一定のルールやタブーもないし、
ただその方法や結果が焼き上がった作品に表れます。
よく陶芸家の方でも窯ヅメを秘密にされおられますが、まさにその秘伝が窯ヅメに
集約されているからです。
窯ヅメは、作品との関係も非常に強いものがあります。
私の場合も作品を作る段階からある程度、窯ヅメの場所を想定しています。
こうすることにより、無駄なく思い通りの焼き上がりを計算できる可能性を上げれると思います。
昔、借窯をよくしていましたが、それは窯ヅメを想定して作品作りができないのが最大のネックに
なっていました。
こうして今一度考えてみると、成形、窯ヅメ、焼成は一連の流れの中でのひとつであり、
それぞれがバラバラでは個の器を作る上では成りえないと思います。
 
さて、次回は成形、窯ヅメまでうまくいき、70パーセントまで完成されても、30パーセントが残っています。
実際の焼成について書いてみることにします。
 
 
 
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