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穴窯考  4)私の穴窯

 
 
4)私の穴窯
 
「穴窯は作品である」これが私の持論です。もちろん器作り、器も作品なのですが、
それを焼シメで焼く窯こそが、その製作の原点であり、大部分を占めると言っても過言ではないのです。
もちろん電気やガスなど炎にむらの少ない窯は、その割合を下げるとは思いますが。
穴窯リストにとっては、何よりそのデザイン(機能性)が、自分の思う焼き物を焼くカギとなってくるのです。
窯は人それぞれの目指す作品が違うように、窯の形、焚き方、詰め方などそれぞれで当然なのです。
10人いれば10人ともが自由な発想でいい。
私の窯は奥行き3m、幅1.5m、高さ0.9mの新幹線の頭のような形をしています。
勾配は1mいって28cm高くなる角度。
ドラム缶を横に寝かせたような捨て間も1つ備え、毎回100〜200点ぐらいの作品を焼きます。
レンガは2500ぐらい使いました。比較的小さな窯ですね。半年ほどかけて造りました。
私の窯の場合、まず考えたのは温度がきちんと上がること。
土が焼き物に変わるのには1200〜1300℃という高温が必要です。
その温度を得やすい、上がり易い窯。
そして窯口から煙突へ抜ける勢いの強い、これは明るい火色を狙うため。
さらに天井を低くして、窯変に有効な灰を作品になるべく圧して降りかかるよう、自分の作品の大きさや形、
狙う景色を計算に入れて築窯しました。
自分の窯を持つ(造る)とは、自分の作品作りの第一歩です。
これにもちろん器を作る技術やデザイン、そして窯詰め、窯焚きなど、
総合的にやっていかなくてはいけないですし、また、これら全てを満足にこなしたとしても、
人知の及ばぬもの「炎の世界」の力を思い知らねばいけないでしょう。
「予定された偶然性」こんな言い方をされるんですが、人(作家)のできることは
全て予定(こうなればいいな)にすぎない。
生まれる時に偶然による炎の力を借りて、土は焼き物(作品)として生まれることができるのです。

 
 
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